閑話 旅行の話 宮城峡蒸溜所見学 前編

いかがお過ごしでしょうか。
僕は休暇を利用して、ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所を見学してまいりました。
人生初の蒸溜所見学。
大変有意義な体験でしたので、記録がてら記事にまとめようと思います。

今回は宮城峡蒸溜所見学の話です。

きっかけは、あるお客様にいただいたお酒でした。

2015年限定の宮城峡シェリーカスク。
試しに一口飲んでみなよ
といただいたお酒を口に入れた途端、衝撃を受けました。

僕の好みのシェリーカスクの香りが豊かに香りつつ、
宮城峡独特の軽く華やかな味わいと濃厚な甘みが広がりました。
ほのかに香るほろ苦い余韻が、格別の飲み心地でした。

それ以来、宮城峡ウヰスキーに完全に魅了されました。
お客様に飲み物をいただくと、宮城峡を決まって飲むようになりました。
常連のお客様は、ニコニコしながら宮城峡を飲む僕を見かけているかもしれません。

そういった事情もあり、宮城峡の見学を決心しました。

……今考えれば、人生初の蒸溜所見学がサントリー所有の山崎や白州でなく、
さらにはニッカウヰスキーを象徴する余市蒸溜所でもないというのは、
なかなか変な人間だなぁと我ながら思います。
宮城峡にハマりすぎではなかろうか自分は。

というわけで行ってまいりましたニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所。
当日は梅雨時ながら晴天に恵まれ、蒸溜所内もさわやかな空気が流れていました。
蒸溜所は宮城峡という名前の通り森の中の峡谷に位置しています。
蒸溜所内は、木々や湖などがそのままの形で残されており、
動物の鳴き声や木々の揺れる音の流れる、大変に自然豊かでおだやかな環境でした。

建設時、「自然を大切にしなければおいしいウイスキーはつくれない」という政孝の信念に基づき、樹木の伐採を最小限に留め、電線は全て地下に埋設しました。製造工程ごとに分けられた建物の床高がすべて異なるのも自然への配慮。敷地を平らにならして全工程の設備を同じ建物に入れるのが合理的ですが、本来の土地の形状を壊さずに起伏を活かしたのです。

引用 "宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY"

当日は晴天だったこともあり、蒸溜所の脇を流れる新川(にっかわ)を間近で見学することができました。
竹鶴政孝がこの地に訪れた、この新川の清流でブラックニッカを割って飲んだ際、その味わいから蒸溜所建設を即決したとのことです。
スタッフの方曰く、見学ツアーに来た人が実際にブラックニッカを持ち込み、新川の水で飲もうとすることもあるらしく…
僕もその話を聞いて、なぜブラックニッカを持って来なかったのかと非常に悔やみました。
ちなみに安全上の理由でできないそうです。
無念。

ちなみに宮城峡蒸溜所内で使われている水、ウイスキーづくりや浄水や用水に至るまで、
全てこの新川から汲み上げた水で賄っているそうです。
蒸溜所内には常に新川の水が循環している水槽が設置されており、
そこで泳ぐメダカさんたちが、新川の水の安全性をモニターしているそうです。

三交代制の蒸留所内で、唯一の24時間勤務の功労者。
偉大なメダカさんです。

次回は蒸溜所見学内部を少し詳しく書こうかなと思います。