バーの音 第三話
2010年12月4日カモメセラーは10坪の居抜き物件からスタートしました。
当時は提供する飲み物や料理に集中していたため限りある設備投資はほぼそちらに回し、
音響設備は“鳴れば良し“という程度のものでした。
何とか2年ほど営業も続いていた頃にお客様から真空管アンプを置いてみないか?と言われました。
正直、真空管アンプがどれほどのものか?もよく分かっていなかったのと
10坪程度の店にどこまで効果があるのかも分かりませんでした。
とりあえずお話しだけでも聞いてみたらということでご紹介頂いた方が小松音響の小松さんでした。
真空管アンプを自分で作っているという小松さんはいかにも職人さんでした。
空間に合わせて作成、しかも同等のメーカー品と比べて6割程度の価格。
それでも購入を決断するまでにはいろいろと考えてしまいました。
音響そのものについては実際に設置してみないと未知数のところはありましたが、
真空管アンプがある店というところで店自体のステージを少し上げてくれるかもしれないと考え購入を決意しました。
果たして真空管アンプ設置後、一発目に流れた音は私の想像を遥かに超え、凄いを超えたビックリでした。
音響についてはそれ程期待していなかった事は内に秘めた私の本音でした。
なのでその瞬間心の中で「小松さんごめんなさい」と言いました。
小松さんは真空管アンプと一緒にタンノイの中古スピーカーを付けてくれました。
引っ越しした現在の店は1.5倍ぐらい広くなっております。
新店の音響ももちろん小松さんにお願いし、真空管アンプもそのまま使用しておりますが、
サブウーファーやスピーカーを加えることで広さに対応しております。
通常営業のBGMは、お客様の会話の邪魔にならい程度の音量に抑えております。
実際のところ大音量にしないとアンプの力は分かりづらいと思いますが、
低音でもそこから流れる音楽が店を包み込んでいる状態となり空間に奥行きが出来,居心地の良さにつながると実感しております。
真空管アンプ購入をお考えなら是非とも私に一声お掛けください。
小松音響さんをご紹介します。

第四話に続く