ウイスキーの話 WWA2025受賞シングルモルト

いかがお過ごしでしょうか。
僕がバーテンダーとしてカウンターに立ち始めて、早いもので間もなく一年が経ちます。
昨年頭ごろはお酒は一杯で十分と言えるほどお酒が飲めなかった僕が、
なんとか勉強させて頂きながら、どうにかこうにかやってこれました。
今ではお酒がいっぱい飲めます。お酒とっても美味しいです。
人は変わるものですね。

6月中旬、仙台にあるニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所の見学にいく予定です。
お酒に触れに触れた一年、今一番楽しくも美味しいのはウイスキーかもしれません。

今回はウイスキーの話です。

毎年春、ワールドウイスキーアワード(World Whisky Awards)の発表があります。
ワールドウイスキーアワードは、2007年より毎年イギリスで開催されているウイスキー専門の国際的な品評会であり、
テイスティング部門とデザイン部門に分けて審査されます。
注目はやはりテイスティング部門です。

テイスティング部門では一貫してブラインドテイスティングによる審査が行われます。
国ごとに細分化されたカテゴリでの優秀銘柄を決め、
最終的に世界最高賞の一本「ワールドベスト・ウイスキー」を選出する仕組みになっています。

シングルモルトウイスキーのカテゴリを例に出すと、
まずは各国、地域での予選選考があり、地域ごとのシングルモルトの最高賞が選出されます。
そして地域ごとの最優秀シングルモルトがイギリス・ロンドンに集められ、
ワールドベストシングルモルトウイスキーが選出されます。

長くなってしまいましたが、今回は小畑チーフのオススメとして、
地域別最高賞のシングルモルトウイスキーから一本と、
世界最高賞のシングルモルトウイスキーをメニューに掲載しようと思います。

まずは、”アラン シェリーカスク”です。

シングルモルトウイスキー部門
スコッチ/アイランズカテゴリー最優秀賞を受賞しました。

蒸留所:ロックランザ(アラン)蒸留所(アイランズ)
熟成年数:ノンエイジ
熟成樽:シェリーカスク(ファーストフィル)
アルコール度数:55.8%(カスクストレングス)

タリスカーやスキャパなど、島によって個性あるウイスキーが生まれるアイランズ地域。
その地域での最優秀賞を受賞しました。

樽出ししたまま加水せずボトリングするカスクストレングスである分、アルコール感や辛さがガツンときますが、
とにかく濃厚なシェリーの甘い香りと、アラン蒸溜所特有の華やかな香りのハーモニーがとにかく絶品です。
個人的には、水や炭酸で割って飲むのがオススメです。
何かで割ることで、後味にビターチョコやコーヒーのようなほろ苦さが際立ちます。

マッカランなどのシェリー樽ウイスキーが価格高騰しているなか、
高級過ぎない価格帯で濃厚な味わいを楽しめるシェリー樽ウイスキーはなかなか珍しいのではないでしょうか。


次に、”グレンアラヒー 12年”です。

シングルモルトウイスキー部門総合最優秀賞
ワールドベストシングルモルトウイスキーを受賞しました。

蒸留所:グレンアラヒー蒸留所(スペイサイド)
熟成年数:12年
熟成樽:ペドロヒメネスシェリー樽、オロロソシェリー樽、ヴァージンオーク樽、赤ワイン樽の四種をヴァッティング
アルコール度数:46%

グレンリベットなどを筆頭に、有名蒸溜所が数多く存在する一大地域スペイサイド。
その地域での最優秀賞を受賞、そのままシングルモルト部門を総合した最優秀賞に選出されました。

ウイスキー界の名プロデューサー、ビリー・ウォーカーさんが2017年に蒸溜所を取得して以降、
年々評価を高めていたグレンアラヒー蒸溜所。
スペイサイド地域特有の軽やかで華やかな香りを持ちつつも、
四種の熟成樽が生み出す複雑かつしっかりとしたハーモニーが印象的です。

個人的には是非ともストレートでお楽しみいただきたいです。
この複雑な味わいは、温度変化や氷が解けて薄まる変化さえ勿体なく感じます。
お好みでほんの少量の水を加えていきながら、変化を自分でコントロールしつつ飲むのがオススメです。

ごちゃごちゃと色々書いてしまいましたが、
兎も角、是非一度飲んで味わっていただきたいです。

ドリンクメニュー、小畑チーフのオススメよりご注文いただけますと幸いです。