春の桜リキュールカクテルの話
…遅筆なもので、おそらく記事が公開される頃には東京の桜は散っているころになるでしょうが。
いかがお過ごしでしょうか。
春分も過ぎ、東京は幾分か暖かさを感じます。
在籍していたアルバイトの子たちも3月いっぱいで卒店し、
カモメセラーも新生活が始まります。
余談ですが、送別会に向けてアルバイト一人一人にカクテルを試作していました。
ただ、慌ただしさの中で披露し忘れたままだったのです。
後日こちらでレシピの供養がてら記事にしようかなと思います。いつか。
今回は桜リキュールのカクテルの話です。
桜の開花時期になり、なにか春らしいカクテルを考えてみようかなと思案していたところ、
酒棚の奥深くより桜のリキュールを見つけました。
前任のチーフバーテンダーの方が"カモメおすすめフラワーリキュール"というメニューを考案していたのですが、
その時の残滓のようなものでしょうか。
これがなかなか美味しく面白いリキュールでした。
そのままストレートで飲むと、桜花の華やかさよりも、桜餅のような人工感のある香りに感じたのですが、
せっかくなので幾案か考えてみました。

グラス右から順に、
桜ジントニック、桜スプモーニです。
桜ジントニックは、ジン特有の香りの強いビーフィータジンと、甘さに対して香りが弱めなカナダドライトニックウォーターで仕上げました。
当店のスリーナンバージントニックのスタイルで言えば、126ジンソニック+桜でしょうか。
スプモーニ自体はカンパリとグレープフルーツジュースのカクテルなのですが、
カンパリを桜リキュールに代替して仕上げています。
黒板掲載のメニューには、桜+生搾りオレンジもあります。
仕上がりはどれも相当なクオリティに仕上がりました。
結論から言ってしまえば、人工感のあった桜の香りは、他の飲み物と合わせた途端に柔らかい桜の残香に変化しました。
お酒とは奥が深いなとつくづく思います。
桜の香気成分にはリラックス効果や抗菌作用があると聞きます。
4月からの新生活。肩に力を入れすぎず、お酒でも飲みながら元気に過ごせれば何よりです。
桜のリキュールカクテルは、4月いっぱいは黒板に掲載しようと思います。